第一章 始まりは唐突に

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俺は、今日父方の親戚の家へと来ていた。 というのも、今が学校が休みで、尚且つ夏休みだからだ。 俺はそこで、今日始めて、遠い親戚にあたる、甲斐[カイ]家の人達と出会った。 そして、驚いた?! なぜかって? だって、その一人娘である彼女、甲斐 恭子[カイ キョウコ]は、同じ高校に通う後輩だったからだ。 今まで廊下なんかですれちがっても何もお互い考えたりしてなかったのに…、まさか遠い親戚にあたるなんて誰が考えたりするだろう。 俺は世の中は案外狭いのかな?と考えたよ。 そんなこんなで、出会った俺達は、色々な話をした。 学校のこと、身近なこと、 楽しいこと、面白いこと、 それこそ時間の許すかぎり、また、今までの隙間を埋めるかのごとく、俺達は沢山のことを話して、笑い会っていた。 今まで、お互いに干渉していなかったことが嘘のように…。 いつもなら、無口の上に、女の子と話すのをあまり得意としない俺が、話をするのはとても珍しいのだけど、何故たか、彼女に対しては、妙な懐かしさとか、よくわからないけれど不思議な感情?をもったから… 話を続けていくにつれ、その感情の正体がわかるかと思ったけれど、一向にわからなくて…。 そのくせ、彼女にはしっかりひかれて、尚且つ意気投合してんだからなんだかな~だよなぁ。 そうこうしているうちに、時間はあっという間に過ぎていって…気が付けば、晩御飯の時間となっていた。 その後は、当たり前のように、ご飯を食べ、風呂に入り、布団のなかに入った俺は、今日あったことを頭のなかでぐるぐるとめぐらしていた。 今日初めて会ったはずの遠い従妹、それは俺の後輩だった。 彼女のことが妙に気になり、また、もやもやとわからないなんともいえない感情を感じたり、懐かしさを感じたり…。 「本当に、なんだったんだろう?」 俺は、誰にいうでもなく、呟きをもらしていた。 そんなことを考えながら、最後に考えたのはこんなこと…。 『今までもったいないことしてたのな、俺。 君と近いところにいたのに、全然気が付かなくて…。 もっと君と近い関係だったらよかったのになぁ…。』 今から考えると、これがいけなかったのか(汗) と思うでもないことを考えて眠った俺は、次に目を覚ましたときに、さらに驚くこととなった。
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