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一週間……
あれから一週間が過ぎた
あの、リリムたちのことがあってから俺は二日程ずっと眠っていたらしく、目が覚めてからも血の足りない体はふらふらで、あまり動かせることが出来なかった
俺が眠っている間は秋斗がずっと傍にいてくれていたらしい
目が覚めた時に一番最初に目に入った秋斗の名前を呼んだ時、あいつは目を見開いた後安堵したように俺の名前を呟き、抱きしめてきた
その手は微かに震えていて
あぁ、よっぽど心配してくれたんだな…なんて伝わってくる熱を心地良く感じながら、俺はそっとその背に腕を回していた
もう後何日もない登校日で、SHRが終わるチャイムを聞きながら、俺は窓から外を眺めていた
別に、何かを見ているわけじゃなく
変わらない、青い空を見上げながら俺は無意識に首筋に手を触れていた
まだ薄く二つの傷痕が残っている首筋を…
あれから一週間
ハルカは……帰ってこなかった――
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