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「じゃあ先に帰ってるね!知佳、行こ!」
「ん…」
鞄を持って教室から出て行く空の後ろ姿を見て、知佳もついて行くのかと思ってたら、葵の席に座って俺に目線を合わせた
そして、
「イズ…」
心配そうな声を俺に向けてきた
「…春華先生なら…、きっと戻ってくるから…」
「「…………!?」」
その言葉に、俺と葵が驚きで固まった
他の生徒には、ハルカはしばらく他校に出ているというように説明されているはずなのに
「知佳…」
「だから…、そんなに思い詰めないで…。他にも悩みあるなら…聞くから…」
そう言って俺の頭を慰めるようにぽんぽんと優しく叩いて出て行く知佳を見て、俺はまた反省した
事情を知らない知佳にまで心配かけさせるなんてな…
つくづく知佳は勘が鋭いと思う
「…知佳って凄いよな。こないだ秋斗の部屋で寝てた時さ、マオに俺いるとこ教えたんも知佳やってんで…?勘良すぎやろ」
その時のことを思い出したのか、腰に手を置く葵
…こいつら……
お仕置きほんま恐かった…とか隣で呟いているのを聞き流しながら、俺は知佳の言葉を思い出す
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