一時の平穏

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ソルガ達が教室に行くと、いつもより生徒が少なかった。 またギルバートが遅刻するとでも思ってまだ来ていないのだろう。 ガラッ…… 「……何故生徒が少ない。」 ところがギルバートは時間通りに現れた。 当然と言えば当然だろう、今回ソルガは悪戯をしていないのだ。 「これでは戦闘術の授業が始められん。」 「ダスくん。」 苛立ちながら生徒達を待つギルバートに、ソルガが声をかけた。 「その名前で呼ぶな!」 「やる気のない生徒は放っておいてさっさと始めた方がいい、怪我するからな。」 「うっ、うむ……始めよう。」 この直後からクラス内で“ソルガ達と話すとギルバートの雰囲気が変わる”という噂が流れ始めた。 五分後には生徒達も、校庭にある闘技場に集合していた。 「まずは化身を呼び出せ。」 化身とはいわゆる召喚獣のようなもので、契約を結んだ生物を魔法陣から呼び出すことができる。 化身は召喚する者の魔力により変わるので、魔力が極端に高い者は神や悪魔と同格の化身と契約することも可能である。 生徒達は入学時に契約を結んだ化身を呼び出すために地面に魔法陣を書き始める。 「どうした、早く呼び出せ。」 ギルバートはソルガ達に命令する。 「呼び出していいんだな?」 ソルガはそれを聞くと、空中に魔法陣を展開した。 「なっ、魔法陣を空中に展開しただと!?」 「いけない、止めさせて!!」 突然シェリーが転移で現れてソルガに駆け寄るが、次の瞬間には魔法陣が光り輝いていた。
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