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「待て、落ち着け。」
多数の生徒がソルガにゆっくり歩み寄る。
『……仕方あるまい。』
ソルガは窓を開けて外に出ると、窓の柵を足場にして屋上に逃げた。
「ルナ、後はお前がなんとかしておいてくれ。」
ソルガはそのまま柵から柵へと飛び移り、やがて屋上に消えた。
「………」
「君、奴とどういう関係?」
「……私の兄よ。」
一人の生徒に聞かれたルナは、小さく溜め息をつきながら答えた。
「あいつはふざけすぎよ、あんたも苦労するわね。」
「……お願い、今は座って……」
「まぁ君は悪くないからな。」
「座るか。」
残された生徒はルナを哀れに思ったのか、黙って椅子に座った。
屋上……
「魔法の使用を禁止か、シェリーも考えたな。」
ソルガはまたゆっくり瞼を閉じると、仰向けになって床に寝そべった。
「そこにいるんだろう、シェリー。」
ソルガがそう言うと、給水タンクの上からシェリーが飛び降りた。
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