絶対神と運命神

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「俺は……誰だ、ここは一体……」 暗闇の中、真紅の髪と瞳を持つ男がいた。 「我が半身よ……」 突如として、暗闇の中にいる男の頭に威圧感のある声が響く。 「一人の人間がどこまで世界を変えられるか……我は興味を持った……」 「……誰だ。」 「我の名はノヴァ、全てを創造せし者……」 「創造主……ノヴァ……」 紅髪の男は自分の創造主であろう存在の名を聞き、僅かに目を細めた。 「そなたはソルガ・レヴァン……我が半身として創られし者……」 「名前などどうでもいい、お前は何のために俺を生み出した。」 「そなたが永遠の刻の中で、どれだけ運命にあらがえるか、どのような行動をするか…………興味を持ったに過ぎない。」 「勝手なことを……俺はお前の人形ではない。」 「力は授けた、そなたの行動に期待する……」 「待て、お前にはまだ聞きたいことが……!」 それ以来ノヴァの声がソルガの問いに答えることはなく、気がつくとソルガは荒野に寝そべっていた。 「……ここはどこだ。」 見渡す限り荒野、植物の芽がいたるところに生えている。 地平線の向こうには広大な海が広がる世界。 ソルガは黙って立ち尽くしていた。 そして時は流れ、生命が生まれ、文明は栄え、滅びていった。 そして現在に至る。
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