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「戦力的には確かに強力な連携が可能でしょう、ですが二人が全力を出さなければお互いの動きについて行けないはずです。」
「そこまで気づいているとは……わかったよ、僕達も全力を出そう。」
「あなた……」
「行くぞ!」
リアから指摘を受けたシンは漆黒の刀を取り出し、レナの槍が真紅に染まった。
『……生半可な防御では防げませんね。』
シンとレナは剣と槍を構えると、同時に切りかかった。
「天魔煉殺剣!」
「創魔乱刹槍!」
シンとレナは瞬間的にリアに乱舞を叩き込み、そのまま切り抜けた。
シンの黒刃“刹那”とレナの紅槍“修羅”の攻撃力を無駄なくリアに叩き込んだはず……
だがリアは倒れない。
普通の悪魔や魔王、神ですら一撃の名の下に切り捨てる技を決めたはずだった。
「なんでだ。」
「そんな……」
「……確かに無駄のない極められた技です、ですが基礎能力が劣っていれば通用しないこともあります……とは言え流石にただの長剣では耐えられませんでしたが。」
よく見ればリアの右腕は、白く輝く刃に変わっている。
リアは変化した右腕で乱舞を全て受けきったのだ。
「なっ、なんだあの腕は。」
「これは血塗られた力です、私からはあまり話したくありません…………しかしこれまでのようですね、私の勝利です。」
リアの右腕は光に包まれると、もとに戻った。
「勝てないな。」
「……完敗ね。」
「そんな……ルシファー様とリリス様が及ばないとは。」
それまで黙って戦闘を見ていたバールは、唖然として状況を見ていた。
負けを認めたシンとレナに対し、リアが口を開く。
「私は神界に用があります、ですが背中の傷で魔力が乱れて転移が使えません……連れて行ってくれませんか?」
『その必要はない。』
「っ……この声。」
リアの脳内に声が響き、突然ソルガが目の前に現れる。
「……ソルガさん?」
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