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「お前は何をするために生まれてきた。」
ソルガは神滅をベリアルに突きつけた。
「ぐっ……」
「お前は今まで何をしてきた。」
「……俺のしたこと………」
「………」
ソルガは、ふと何かを悟ったかの如く神滅の先端を下げた。
「油断したな、今だ!!」
ベリアルは神滅を掴んで折ろうとしたが……
「触るな、汚らわしい。」
ソルガが神滅を振り抜くと、ベリアルの手足は無惨にも斬り裂かれた。
「ぎゃあああぁ!!」
両腕を失ったベリアルは狂ったかの如く叫び声を上げ、ソルガはそれを冷たく見下していた。
「これで何もできないだろう。」
「っ……何故だ、何故ここまでする必要がある。」
「言っただろう、お前を消し去ると。」
「たっ、助けてくれ……頼む。」
「………」
ソルガの視線は変わらず、相変わらず冷たく見下している。
『生きて、生きてさえいればいつでも殺すチャンスがあるはずだ。』
「……一言言っておく、冥土の土産に話してやろう。」
「何?」
「俺に虚実は通用しない、先ほどからの虚実を全て見た結論……お前は心の芯から腐っている、お前には存在価値がない。」
「そんな、馬鹿な!?」
「虚無の彼方に還るがいい……
神滅鮮紅。」
ソルガの右手に紅い魔力が集まる。
目に見える程の高密度の魔力を纏った右手でベリアルを貫手で貫くと、ベリアルの体は崩壊して消え去った。
「……邪を滅ぼす者の定めか。」
飛散したベリアルの体と、血で紅く染められた闘技場の中心にソルガは呆然と立っていた。
そして返り血を洗い流すかのように、冷たい雨が降り始めた。
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