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ソルガは部屋に帰ると風呂に直行した。
「……血なまぐさい。」らしい。
「兄上がこの部を作ったのは……これから起こることを予知してかもしれない……」
「これから一体何が起きるんですか?」
ルナの言葉にシンが目を細め、真剣に聞く。
「……戦乱の世が訪れるかもしれない、兄上は学園生活を止めないまま、尚且つ邪の勢力の抑止力としてこの部活を作ったの……」
「戦乱は嫌いです……憎悪、悲しみ、そして犠牲者しか生みません。」
リアはかつて自分が生きた時代を思い出し、膝の上の拳を握り締めていた。
「それを阻止するためにも、部員を増やして魔法と戦闘術を教えなければいけない……本当に覚悟がある者でなければ……死にかねない。」
ルナはそこまで言うと、静かに溜め息をついた。
「半端な覚悟では……邪の勢力に入りかねない……」
「類い希な才能も必要ですし……」
「道は苦難だな。」
悩んでいるレナとフィアの背後から、突然ソルガの声が聞こえる。
フィアが振り向くと、既に新しいローブに着替えたソルガがいた。
「早いですね。」
「あんな奴の血を浴びたままでいられるか。」
「……確かに嫌ね。」
ソルガの一言に、部員達は頷きながら肯定した。
「もうそろそろ魔法大会だ、部員を誘うぞ。」
「……来ますか?」
「来るさ。」
リアは心配げに聞くが、ソルガは自信に満ち溢れていた。
翌日……
ソルガの期待を裏切り、部員は一人も集まらなかった。
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