部活動開始

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ソルガが振り向くと、少し長い銀髪に紫の瞳を持つ美男が立っていた。 「……お前は必要としていない。」 「おやおやソルガさん、酷い扱いですねぇ。」 「精霊王が俺に意見するか、アレク。」 「変わりませんねぇ。」 アレクと呼ばれた男は、偉そうに言うソルガを見て苦笑する。 「あなたは……誰ですか?」 アレクを見たことがないフィアは、少し警戒しながらアレクに問う 「僕の名はアレク・フィアステアさ、君の名を教えてくれないかい?」 「私は……フィア・ステュラです。」 「へぇ……スフィアテュラか、それもだいぶ強い。」 「っ!?……何故それを。」 フィアは自分の正体を瞬時に言い当てられたため、慌ててアレクから間合いをとる。 「魔力と尻尾でわかるさ、君はとても立派な尻尾を持っている。」 「アレク……先輩、あまり前のことに触れないでください。」 フィアは過去のことを言われたからか、少し不機嫌になる。 「おや、気に障ったようだね。」 「アレク……後輩を虐めないで。」 「虐めているつもりはないけれど……レナは少し表現が激しいよ。」 「入部するつもりがあるのか?」 アレクとレナの会話にソルガが割り込み、アレクは再び苦笑する。 「乱世がまた訪れるなら。」 「新入部員だな。」 「ふふっ、楽しくなりそうですね。」 アレクは爽やかに微笑みながら、部室の方角に去っていった。 「アレク先輩……また立ちはだかる先輩が増えましたね。」 「もしかして俺もか?」 「当たり前です。」 機嫌が悪いフィアはソルガに答えると、尻尾を地面にバシバシと叩きつけている。 「アレク・フィアステア……何を考えているんですか。」 リアもいつの間にか目を覚まし、アレクの去った方を見ていた。 「兄上と同じでわからないのよ……」 「とりあえず目標まであと二人だな。」 「入部したいのだが。」 ソルガが振り向くと今度は金髪の長髪を縛り、メガネをかけた青年が立っていた。
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