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青年はメガネを直しながらソルガを見ていた。
「……誰だ。」
「ダイーズ・イグゼラントだ。」
「なる程、メガネだな。」
「っ……誰がメガネだ。」
気に障ったのか、ダイーズはソルガに反論しながら魔力を高め始めた。
「所詮あだ名だ、気にするな。」
「ぐっ……僕をそういう世界に引き込むな!!」
ダイーズは空中に魔法陣を展開、魔法陣から激流を放った。
「ほう、水も無い場所で水属性魔法か……それに空中に魔法陣を展開するとは、大した才能だな。」
ソルガは何もしていないが、水は何かにより弾かれてソルガを避ける。
「……何をした。」
「さぁな……それより、誰かのせいで廊下が水浸しになってしまったがな。」
「くっ……いいだろう、僕が納得いくまで君の力を調べてやる。」
「できるなら、やってみろ。」
ダイーズは水を操り排水口に流すと、無言で部室の方向に歩いていった。
「さて、あと一人だ。」
「二人でも充分よ。」
ルナのさりげないフォローも、ソルガにはまるで意味が無い。
「俺の辞書に不可能の文字はない。」
「ソルガさんも自分の辞書があるんですか?それに載っていないならその辞書はかなり古いですね。」
リアはソルガの言葉を聞いて、疑問に思いながら空間を切り開いて辞書を取り出した。
「例えだ、本気にするな。」
「……例え、ですか。」
「入部希望。」
辞書をしまうリアの前には、いつの間にか一人の女性が立っていた。
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