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リアの前にいる女性は、どうやら入部希望者らしい。
女性は赤毛のショートヘアに黄色い瞳、そして龍神族の特徴である尻尾など、人間では有り得ない容姿をしていた。
「名前は。」
「ミラだ。」
「なる程、龍神族か……フィアに仲間ができたな。」
尻尾から推測するにやはり、ミラも龍神族なのだろう。
フィアはミラを見ると驚愕の表情を浮かべた。
「……あなたはっ!?」
「久しいな。」
フィアはもともとは命神龍スフィアテュラ。
ミラのもとの種族は覇神龍ディスミラント……二匹は龍の中でも双璧を成す優秀な種族であり、何度か面識があった。
「……いつから人間の姿に?」
「一週間程前だ、そこにいるルナに人間にしてもらった。」
一週間程前というと、シン達が地獄に行っていた時である。
僅かな時間だが、ルナのみは寝ていた気もする。
しかし、ルナが部屋で寝ていたのを確認した者はいない。
「そんな短い時間で、よく人間にできたなぁ。」
「まぁ気にするな。ミラ、お前は人間年齢に直すと何歳だ?」
シンの素朴な疑問を流して、ソルガはミラに聞く。
「?……恐らく19だが、何故そんなことを聞く。」
「となると、後輩キャラはフィアとリアだけか……残念だったなフィア。」
ソルガにからかわれながら頭を撫でられているフィアは、頬を膨らませて不機嫌になる。
「ミラ、仲間だと思っていたのに……」
「何のことだ、ミラは何もしていない。」
ごもっともな意見である。
「ソルガ先輩……せめて言い方を変えてください。」
「俺は何事も自分が思ったままに言う。」
「天衣無縫ですね。」
「自己表現が激しいだけよ。」
リアの言葉にルナが反論するが、ソルガには聞こえていないようである。
「とりあえず部員も集まった、部室に集合だ。」
ソルガ達はミラを部員に加えると、とりあえず部室に向かった。
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