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「……今日は学園の始業式よ、少しは自覚したらどうなの?」
ルナは困ったような様子でソルガに言うが、ソルガ自身は全く気にしない様子である。
「しかし明らかに不必要だ……俺が学園に入学する理由など無いだろう。」
「私達は生徒に紛れて学園に通う生徒達を守り、裏から学園の禁書などを管理する必要がある……これはギルドで決定したことであり、これ以上遅れたら生徒として入れないわ……」
「自分で決めたとはいえ、俺が行く羽目になるとは……仕方がない、行ってやるか。」
ソルガはルナと共に転移魔法(俗に言う瞬間移動)を使い、草原から音もなく消えた。
行き先は管理する対象である“ランフォード学園”。
ランフォード学園……
ソルガ達は入口ではなく、そのまま学園長室に転移した。
学園長室は本棚や机が壁際に並び、奇妙な装置や宝石、薬品が机の上に立ち並ぶ。
『……いつ来ても変わった部屋だな。』
奥の机には毛先が跳ねた翡翠のショートヘアと、同じ翡翠の瞳を持つ少女が座っている。
何やら書類をまとめているらしく、まだソルガ達には気づかないようだ。
「久々だな、シェリー。」
「遅れてごめんなさい……」
シェリーと呼ばれた少女は突然の声に驚き、慌てて顔を上げた。
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