~第一章 降り立つ風~

5/14

20人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
「久しぶりですね、フォクシー。お変わりありませんか?」   少し高い身丈の女性が穏やかに言った   「エイル先生!?」   フォクシーは驚きを隠せなかった   その女性―エイル・リクティス―は、フォクシーがまだ訓練生だった頃、士官学校の教官を勤めていた   様々な事を教わったフォクシーにとって、彼女は「恩師」と言える人であった   フォクシーが卒業する少し前に、エイルは軍へと戻っていったのだ   そのエイルが眼前にいることが驚きだった   エイルはそんなフォクシーを見て―   「変わりませんね、フォクシー。軍人である以上、私を呼ぶ時は階級でと教えたでしょう?」   諭すように言った   「あ、すみません。あの、どうして少将がここに?」   「どうしてって…。貴方に転属をさせるように掛け合ったのは私ですから」   「…どういうことですか?」   フォクシーは未だにワケが解らずにいた   「まぁ、詳しい話は移動しながらにでも―」   「エイル少将~、私を無視して話を進めないで下さいよ~」   エイルと話していると、もう一人の女性が割って入ってきた
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加