宇都宮藩主を奪回せよ!原田の奮戦。

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梶原達を鹿沼に行かせ、見張りを十人立て残りを休ませ、殿軍を待つ原田達。 原田「さて、どうするかだな!」 思い切り考え込む原田。 苦痛の表情であったが、しばらくして 原田「俺が頭を使ってもしょうがない!敵が来たらあしらいながら、俺達も鹿沼に退くしか無いだろう。」 粕谷「それしか無いでしょうな!」 原田「今十人物見に出して、此処には三十数名か?」 粕谷「安富君達が到着して何人になるのです、隊長?」 原田「殿軍は五十五人だ。物見まで合わせて九十人。」 粕谷「後ろから百何十かと、敵の本隊が何百かは来ますな?」 原田「おそらく、両方で七、八百は来るだろうさ! そん時にゃ、此処で斬り死にするだけさ。」 中条「隊長、殿軍の安富君達が来ます!」 原田「よし!後は安富君達を一旦休ませてから、物見の報告を聞いてそれから動こう。」 粕谷「そうですな、そうしましょう。」 安富達殿軍と合流した原田達は、少しまわりの様子見をさせて、他は休ませていた。 中条「隊長、物見が帰ってきます!」 隊士「原田隊長、東南から三百以上の敵が来ます!」 安富「原田さん、如何しますか?」 原田「三百位怖くは無いが、戦っている間に他の敵も来るだろうなぁ? そうなったら、鹿沼の梶原さん達も危なくなるだろうな?」 前野「原田隊長、俺達が殿になっている間に鹿沼へ向かっては貰え無いですか?」 粕谷「安富君は原田隊長と鹿沼へ行ってくれ。俺も殿に残ろう。」 原田「なぁに、俺が暴れんでどうする!此処で一戦してやろう!」 其処に鹿沼方面から一騎の侍が、急いで来た。 良く見ると、新選組の島田魁であった。 島田「原田さん、梶原さんからの伝令です。急いで鹿沼へ向かって下さい!」 原田「どういう事だ?」 島田「日光から会津藩の兵士が百五十と宇都宮藩士等三十が鹿沼に到着していますし、我が新選組の斎藤さんも二十人を連れて鹿沼にいます!」 原田「本当か!」 島田「忠友様には戸田外記さんや会津藩と宇都宮藩士等が護衛に付いて、日光へ向かうそうです。梶原さんが、原田さん達にも鹿沼まで戻って来て欲しいとの事です!」
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