417人が本棚に入れています
本棚に追加
東軍陣地
高田藩兵三百と混成部隊三百の六百が囮になっていた。
その後ろに、河井率いる軍勢八百と立見率いる六百の兵が満を持して、敵の攻撃を待っていた。
西軍松本藩兵は、前進しながら大砲を撃つ、上田藩兵も大砲を撃ちながら前進して来る。
東軍は予定通り、大砲の被害も無いのに後退する。
それを見た松本藩隊長も上田藩隊長も、勝ちを信じた。
松本藩隊長「よし、後一息じゃ!敵は逃げるぞ、追え~!」
上田藩隊長「追え~逃がすなぁ~!」
勝ちを確信した西軍は、秩序も無く東軍を追うのに夢中になった。
追う西軍の前で逃げていた東軍の兵が左右に散らばる、そこには正面に河井が四百の兵とガトリング砲二門を据えて居。
左側には立見率いる六百の銃撃隊が、右側には長岡兵等四百が銃を構えて待っていた。
西軍に向かいガトリング砲が炸裂する!
松本藩兵も上田藩兵も我先に逃げ惑う。
ガトリング砲が火を吹き、左右からも銃撃を受け西軍は高遠藩の隊以外は完全に規律も無く、大砲も置いて逃げて行く。
後方にいた高遠藩隊が辛うじて大砲を撃って、東軍の追撃を阻止する構えを見せた。
東軍
立見「河井さん、作戦通り上手く行きましたなぁ!」
河井「仕上げは人見さんの砲兵隊がどうなるかだが。」
その言葉の終わるか終わらないかに、東軍の新式大砲4斤半砲が火を吹く!
砲弾は高遠藩隊等に降り注いだ!
高遠藩隊長「たっ、退却だぁ~!」
西軍は総退却に移る仮の陣地も捨て、元来た信濃へ我先に逃げ帰って行く。
砲撃が終わると東軍が追撃戦に出るが、深追いはしない。
西軍の負傷して逃げ遅れた兵士等捕虜三十人程を連れ、東軍陣地へ引き上げる。
西軍の戦死は二十人程で、捕虜三十人、負傷した者百二十人程であった。
それに比べて東軍は戦死者無し、軽微な負傷が数名だけであった。
東軍の完勝である。
最初のコメントを投稿しよう!