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新潟では桑名藩主松平定敬のもとに、川口夜戦の報告や庄内と米沢からの使者等が矢継ぎ早に来て、米沢藩中老若林とその対応を協議していた。
定敬「流石河井じゃ！昨夜のうちに西軍陣地を落としてしまったとはな。」
若林「新井の敵も、河井殿や立見殿らにかかれば、たちどころに追い払えるで御座いましょう。」
定敬「うむ、越中口も海軍が軍艦二隻を出してくれたから、前田家の兵なぞ怖れる事も無い。」
若林「我が藩では、藩主斉憲様自ら家老千坂と二千の兵を率いて、新潟の守備に援軍して来るとの事です。
我が米沢の藩兵は勇気百倍、定敬様に上杉の戦ぶりをお見せ致します！」
定敬「庄内からも、新徴組に博徒等を加えた六百の兵を援軍に来る。
後は、新発田藩が如何に動くかじゃな。」
若林「糸魚川藩には越前松平家の意向を受けて、敵に付く素振りですが？」
定敬「それは、海軍の荒井が帰り道にでも軍艦から大砲を撃ち、恭順するか敵対するか？談判する手筈じゃ！
与板には、新徴組等の庄内からの援軍部隊に、此処に到着する前に恭順するか敵対するか？談判するように使者を送ってある。」
若林「では、後は新発田藩と椎谷藩、三日市藩がどうするかですな？」
定敬「新発田藩は、我々と同盟していながら兵を出さないとは由々しき事。
三日市は新発田藩と行動を共にするやも知れぬ。
椎谷藩は、軍勢を出せば簡単に下るとは思うがな。」
若林「では、それがしが新発田へ出兵の督促に参りましょう！米沢からも斉憲様の軍勢も来ておりますれば、溝口家もはっきり致さねばならんと思っている事とでしょう故。」
定敬「そうか、行ってくれるか？
では、新発田は任せたぞ！」
若林「はっ、お任せ下さい。
早速新発田へ向かいます。」
定敬「わかった、儂も高田藩に使者を送り米沢と庄内から三千の援軍が到着するから、榊原家も色部殿にさらなる援軍を出すようにと言ってやろう。
椎谷と黒川、三日市に村松、三根山の各藩にも米沢藩主上杉斉憲殿自ら出陣する事を使者を出して知らせてやろう。」
若林「はっ、お任せ致します。」
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