双つの約束

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 コウのそんな一言で、私は辺りが暗闇に包まれていることに気づき、寒さとは別のもので身震いした。 「コウ……もう、かえろ?」  泣きそうな目でコウに訴えかけると、コウも少し怖くなったのか、静かにうなずいた。 「でも、その前にトイレ……」  申し訳なさそうにコウはトイレまで走っていった。一人残された私は、仕方なく近くのブランコに腰掛け、コウの帰りを待った。 「コウ、早く帰ってこないかな……」
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