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スキップでもしそうな足取りでいつもの道を歩いていく。
ノラには行きつけの弁当屋があり、今日もだし巻き玉子を買いに向かっていた。
店から出て裏通りへ入り、小さな川にかかる小さな橋を越えてすぐ左手に見えるのだが…
川で水しぶきがあがっている。
「わっ!ぷぁ!たふけっ…ぁぶ!」
よく見ると子供が溺れているようだった。
ノラは慌てて川へ飛び込み少年を抱えるとスクッと立ち上がった。
「そういやここ浅いんだった…」
何だかちょっと恥ずかしかったが「まぁ助かったのでいいか」と少年を抱えたまま道路際へ上がり座らせた。
「なんで助けたんだよ!?」
開口一番に噛みつきそうな少年に、ノラはニコッと笑いかけた。
「寝覚めが悪いからねぇ。しかし…足がつくところでも溺れるもんだな。」
そういってノラは弁当屋に向かって歩き出した。
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