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服はすべてハンドメイドらしく、すべて一点モノで、店主の様相からは想像できないセンスのいいものだった。
(専属のデザイナーでもいるのかな?でもあんまり儲かってなさそう)
そう少女は思ったが、少々…いや結構失礼だろう。
値札はすべて手書きで、フリーマーケットを思わせる。
ふと、少女の目に止まったのは灰皿。
よく見ると店内にいくつかスタンド式の灰皿がたっている。
カウンターには商品らしいタバコが並べて置いてあった。
少女は不思議に思って店主に聞いてみた。
「あの…何故灰皿がこんなに?」
緊張からか少女は言葉足らずだったが、店主はちょっと考えてから口を開いた
。
「夕方になると大学生とかタバコくわえたまま入ってきたりするんだぁ。服に匂い移りしたり、焦がされたりしたら大変だし、足元にタバコの灰とか落とされたらイヤだから消してもらうの」
ふにゃっと笑った顔は何だか可愛らしくて、少女は照れたように頬を赤らめた。
「店内でタバコ吸うためかと思いました」
「あはは、まさかそんな事しないさ。換気口の下以外は全面禁煙だよ。」
店主が苦笑しているのを見て、自分が棘のある言い方をしたと後悔した少女は俯いた。
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