プロローグ

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  「やったぁ!じゃあ明日学校が終わったら来てね!」  そう言って店主は彼女の手を握ってぴょんぴょん跳ねて大喜びした。  彼女もつられて笑っていたが、あっ!と声をあげて飛び跳ねるのをやめさせた。  店主は首を傾げてどうしたの?と彼女に尋ねた。 「私の名前は野々村恵梨子です。よろしくお願いします。あなたのお名前は?」  彼女──恵梨子は店主に名乗ってお辞儀すると、聞き返した。 「ノラだよ。今はそう呼ばれてるから、エリーもノラってよんでね」  エリーとは店主──ノラがつけた恵梨子のあだ名らしい。 エリーこと恵梨子は思った。 (これからここで働く…んだよね?名前もしらないこの人の店で。私も割と考えなしな所あるのかも)  エリーに一抹の不安が過ぎった。
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