散歩

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  「エリー!ちょっと晩御飯のおかず買ってくるから~!店番よろしくね!いってきまぁ~す!」  そう言ってノラは店を出た。  店の奥からは、通りまで聞こえそうな恵梨子(エリー)の盛大なため息が聞こえる。  布の裁断を止め店に顔を出したエリーはアルバイト初日を思い出していた。  出勤したエリーにレジの操作方法と大まかな仕事の内容を説明すると、急いで作ったらしい手書きのマニュアルと店の鍵を渡し一言。 「8時になったら店閉めていいから。じゃあ!」  そして出掛けてしまったのだ。  今ではすっかり慣れたものだが、当時のエリーの苦労は計り知れない。  市販のお弁当を片手に帰って来ることも多々あった。  学校を卒業してからは住み込みで食事を作っているのだが、買い物は趣味みたいなものらしく止める気は無さそうだ。 「今日は何時に帰って来ることやら…」  再びため息をつくとエリーは商品整理を始めた。  
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