4人が本棚に入れています
本棚に追加
「エリー!ちょっと晩御飯のおかず買ってくるから~!店番よろしくね!いってきまぁ~す!」
そう言ってノラは店を出た。
店の奥からは、通りまで聞こえそうな恵梨子(エリー)の盛大なため息が聞こえる。
布の裁断を止め店に顔を出したエリーはアルバイト初日を思い出していた。
出勤したエリーにレジの操作方法と大まかな仕事の内容を説明すると、急いで作ったらしい手書きのマニュアルと店の鍵を渡し一言。
「8時になったら店閉めていいから。じゃあ!」
そして出掛けてしまったのだ。
今ではすっかり慣れたものだが、当時のエリーの苦労は計り知れない。
市販のお弁当を片手に帰って来ることも多々あった。
学校を卒業してからは住み込みで食事を作っているのだが、買い物は趣味みたいなものらしく止める気は無さそうだ。
「今日は何時に帰って来ることやら…」
再びため息をつくとエリーは商品整理を始めた。
最初のコメントを投稿しよう!