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「本当ですか・・・?」
静かに涙を流しながら声を震わせて私は質問する
「嘘じゃないわ・・・」
短い返答の言葉
でも私にとって充分すぎる言葉だった
「私が掛け合ってみるからあなたもそこで暮らしなさい」
深雪さんの放つ言葉はすべてが驚愕の内容だった
「あなたはもう組織内では死んだ人間よ、見つかりさえしなければ探される心配はないでしょ」
確かにそうだ
私は深雪さんの報告によって組織内では死んだ存在になっている
その辺の心配はしなくていいようだ・・・
けどそんなことよりも、私は嬉しかった
あの子と再び逢える・・・
組織からも解放されるより嬉しかった
「何でそこまでしてくれるんですか?」
この質問に深雪さんは
「幸せに暮らしてほしいって思う親心よ」
と満面の笑みで返してくれた
「もう少し寝てから行くわよ、休んでからじゃないと向こうにも迷惑かかるからね」
そう言うと私に布団を掛け直しおやすみと額にキスをした
私も意識を閉ざし眠りにつこうとした
今度は悲しい眠りではなく幸せに向かう眠りへ・・・
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