被験体

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今日も暗い檻の中              天井には監視用カメラが24時間私を見つめる              私は部屋の隅で膝を抱える 何を考えるわけでもなく ただボーッと              服は布一枚のように薄いワンピースみたいな感じのモノ              胸のとこには4桁の番号 そしてバーコード              首筋には首輪が付けられ手には枷が付けられている              檻の中に取り付けてある鏡 そこに映る自分の姿 胸に届きそうなまでに伸びた髪 虚ろな光を宿した闇色の目              そんな自分を鏡で見るたび私は口の端を釣り上げ静かに嘲け笑う              やがて聞き慣れた嫌な音が聞こえてくる              廊下を歩く革靴の音 カツン、カツンと乾いた音が廊下に響く              「No.1792、出ろ。仕事だ」              濃い緑の軍服に身を包んだ壮年の男が私を見下ろす 彼の名はグランドル 襟に付いた階級章は彼が中佐であることを静かに示す              首輪に鎖が繋がれる 私の嫌いなジャラジャラとした音が静かな檻の中に響く              グランドルは鎖を引き私をどこかに連れていく 左右に広がる檻 そこには私のような姿の子が一人づつ檻の中に入れられている              途中で目につく空の檻 指令途中で死んでしまったりした子の居た檻              誰かが弔いの香をあげることはない 死んだらお役目終了              廃棄されるだけだ              この廊下を歩くたび色々な想いが私の中を渦巻き胸を締め付ける              なんて物思いに耽っている間にも扉の前に着いてしまった
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