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眩しい光が目を刺激する
開けた視界
一面真っ白な空間
白衣を纏った何人もの男たち
資料のようなものをめくりながら議論する研究員
部屋の様子を映す巨大モニター
かつて私が入っていた2mぐらいのカプセル
さまざまな方向に走る回線
辺りを見渡すと色々な光景が目に映った
そんな中、担架に乗せられ運ばれてくる私と同じ格好をした子
口から血を流し、至る所から出血が確認できる
痛みに呻き、目を細めている
満身創痍の彼女はそのまま違う部屋へと運ばれていった
「こっちだ、来い」
立ち止まっている私の首輪に繋がれた鎖を引っ張り奥の部屋に連れて行こうとするグランドル
扉の前でカードを通し、暗証番号を打ち込む
やがて大きな扉が鈍い音をあげて開いた
私はその扉の向こう・・・一際広い部屋に入れられる
正面には黒い人影を映し出すスクリーン
左右のスピーカーからはその人物のものと思われる音声が聞こえる
「さて、今回の指令は脱走したある男の始末を君にしてもらおうと思って呼んだわけだよ」
内容を告げるとスクリーンに目標の詳細情報、顔写真、現在地が映し出される
「指令執行は今日02:00。警備は厚いからな、心してかかれ」
この命令に拒否権はなかった
私は頷き部屋を後にしようと扉に足を向ける
「わかっていると思うが、万が一敵に捕われそうになった場合は自ら命を絶て、証拠は残すなよ」
出ていこうとする私に付け加えるように聞き慣れた内容が聞こえる
その言葉に対し私は何も返事をせずに部屋を出る
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