双子の姉妹

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マンションの一室。 2LDKのわりと広めの部屋。 キッチンで朝食の支度をする恭歌。 テーブルにサラダと目玉焼き、パンが並ぶ。 コーヒーを入れていると、奥の部屋からまだ眠たそうな優歌が出てきてテーブルの前の椅子に座る。 「おはよ」 「おはよぉ…」 あくび混じりに優歌が言う。 同じ顔。 肩までのボブヘアの恭歌と、胸までのロングヘアの優歌。 二人は双子の姉妹。 「あたし今日はちょっと遅くなるから…」 パンを食べながら言う恭歌。 「デートぉ?」 コーヒーを飲み優歌が言う。 「そんな相手いないよ。会議っ」 少し怒って恭歌が言う。 「なぁんだ、つまんない」 「そーゆう優歌はどーなの?」 「なにが?」 「彼氏っ」 「最近ついてないよ、全然出会いないもん」 つまらなそうにテーブルに伏せる。 「あ~あ、恋したいよぉ。思いっきり恋したい」 優歌が呟く。 二人は双子でも、対象的。 何事にも慎重派で真面目な恭歌。 何事にも積極的で自由奔放な優歌。 海外赴任の父とそれについて行った母。 今は二人で仲良く暮らしている。
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