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勢いよく後ろに下がって距離をとる。
少しミスをすれば死んでしまう攻防を繰り広げて、息があがってしまう。
対してケルベロスゴキゴキと腕を鳴らして調子を確かめている。息はあがってない。
出口はあるのに、倒さないと通れないという状況に、焦ってしまう。
それでも、必要な情報は頭の中に入っていて、ある一つの倒しかたが導き出された。
「終わりだよ。ケルベロス」
「あぁ?」
ケルベロス自身でも気づいていない弱点。それは、
我を傷つけようとする霊気よ、霧散せよ
そのちょっとした呪文だけで、ケルベロスは爆発し、粉々になり、霧となった。
そう、その身体は霊気によってつくられたものなんだから。
雪のように降ってくる霊気の中、僕はミールの手を掴んで言う。
「帰ろっか?」
ミールは笑顔で大きく頷いて、僕達は手を繋いで出口を通った。
こうして僕の能力――霊気操作(ファントム・マニピュラー)の修業は終わった。
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