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――僕は一歩踏み出した。
……何も起きない。
「何か精神的にすっごい疲れた……」
『こらこら、まだ一歩だよ~がんばれ~!』
ミールの言う通り、まだ一歩だ。やることがたくさんあるのに。
まず自分の能力の本当の力を探す。次に出口を探す。
それだけのこと、だけどとても遠くとても難しい。
また一歩、また一歩とゆっくりと歩いて、足場の問題はとりあえず問題はないと判断した。でも、
「これじゃあ、山の中を遭難してるのとかわらないよ」
『………コンパス貸してあげる?』
僕はミールなりの優しさを丁重に断った。地図もないし現在地がわからないし、そもそもここが地球なのかもわからないのに、コンパスを渡されても困る。
「とりあえず、あっちに行ってみようか」
指差した先は、やっぱり霧で見えない。でも、ミールの手を引いて僕は歩きはじめた。
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