12人が本棚に入れています
本棚に追加
/58ページ
ていうか、本当にこの意味不明な空間が箱の中なのか?
魔術って、とことん何でもありだなぁ……と、改めて思う。
『さあ、たっぷり休んだし私は大丈夫だから、そろそろ行こ?』
ミールが立ち上がった。つられて僕も立ち上がる。
ミールはまた元気に歩き始めて、今度は十分くらいでダウンした。
「大丈夫………?」
『ダメ………、休憩しよ……』
言って、ぺたりと座り込んでしまった。
「この霧、晴れないのかな?」
返事はない。かわりにすやすやと静かな寝息が聞こえてきた。
話し相手がいなくなった僕は、ねっころがった。
まるで雪の中にいるみたいだと、錯覚してしまう。
…………僕もだんだん眠くなってきた。
ダメだ!出口と能力の力を探さないと!
そう思った僕の頭に、イヴの言葉が過ぎった。
『この霧霊気でできてて、目でも確認できるくらい濃いから、身体には影響を及ぼさないけど魔力は遮断されちゃうの』
最初のコメントを投稿しよう!