第八章 fantome manipuler

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一瞬前にいた所が、ケルベロスの爪によって切り裂かれた。 『むむ、どうしたの……?』 今のでミールが起きたらしい。 僕は早口で今の状況説明をする。 『うん、わかった。雅お兄ちゃんは霊気操作(ファントム・マニピュラー)の能力で、あの人を倒せばいいんだね』 ミールの視線の先には、ケルベロスがいる。 そのケルベロスは再び地面を蹴って間合いをつめ、両手を振り回す。 必死で避ける。ミールの手を引きながらだから、かなり避けにくい。 『ねえねえ、雅お兄ちゃんの能力は霊気操作なんだから、霊気で盾とか武器とかつくれるんじゃない?』 まったく緊張感がない声で、ミールが言う。 でもアドバイスはうれしい。さっきので必要なのは命ずることとイメージすることってわかった。 ケルベロスが両腕を獣の頭にすると、僕達にむかって突っ込んできた。
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