《第二章 ~euenemia》

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「剣心は幸せなの?左之助で良かったのよね?」  薫は顔をあげ、ふっきれたように、キリとした目を輝かせた。 「でも誰かにでも、さよならなんて言って欲しくない。――私が連れて行くの!先生を剣心の所に」 「ええ、そうよ」  薫が決心してくれたことが、今の恵には一番嬉しかった。  無理矢理連れだし、自分勝手と承知しながら、薫を巻き込んでしまったことを後悔していたから。 「早く先生を連れていって早く治してもらうの。そして今度は、私と一緒に……ずっと」 「ええ、そうよ」 「左之助なんかに……」 「うん」 「剣心、待ってて」 .
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