《第三章 ~lesmorei》

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 春先の暖かな日差しが剣心の部屋に差し込む。  庭に置かれた桶の水にも反射した光が、障子を開けたまま眠る剣心の顔を照らす。  緩やかな風が軒先に吊るされた風鈴をチリリと鳴らす。  それに目を覚ました剣心は眩しそうに目を細めた。 「おう。起きていたか?」  左之助は薬と水を盆に乗せ、剣心の部屋を訪れた。 「左之?……薫殿は?」 「横浜まで医者迎えにって、恵と二人で行っちまったぜ。――もう眩しくないか?」  左之助は廊下の障子を閉めながら薬を枕元に運び、剣心の横に座り込んだ。 「なんか、お前の病気治してくれるっていう偉い先生らしいけど…」 「拙者の為に……」 「おう。だから早く治して元気にならねぇとな」
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