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"幸せだった"
先程から頭に響くのは、この言葉。
温かく柔らかい声だ。
優しく何回も何回も頭を往復する。
すると降り注ぐ雨音が耳元で囁く。
"幸せなものか"
一つが囁けば、後は連鎖的に次から次へと囁き始める。
"お前が傷つかないように嘘をついたのだ"
"最期の最期まで、お前はあの人の足枷だった"
"幸せの"
"邪魔をしていたのは"
"アイツじゃない"
"お前だ"
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