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僕の姿は誰にも見えない。
僕の声は誰にも届かない。
僕の手足は誰にも触れる事が出来ない。
僕が存在してるのは、僕にしか分からない。
そして、少しだけ人を幸せにする笛を持っている。
そんな僕は、覚えておく事が不可能なほど昔から、同じ事を繰り返してきた。
すこし荒れた、でもまだまだ息が残ってる町を徘徊する。
そうするとソコには必ず、ほんの少し、まだ僕でも何とか出来る程度に不幸な人がいる。
そんな人に、本当に少しだけの、ささやかな幸せを届けるのだ……笛の音と共に。
そんな事をただ繰り返してきた。意味は未だに分からない。
本当は意味なんて無いのかもしれない。
でも、意味はきっとあると信じてる。
何故かって?それは、コレが僕が知る限り唯一楽しいと思える事だからだ。
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