~プロローグ~

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「……リリーよ。すまない、まだ幼いお前をいかせることになってしまった。本来なら姉のはずだったのだが……ふがいない父を許してくれ」 国王は少女に深々と頭を下げ言った。 すると少女は国王の心配をぬぐうかのように 「大丈夫です、お父様。私は今から嫁に行くのですよ? お父様が祝福してくださらなければ私は安心して行くことができないわ。」 と言った。 国王はリリーと言った少女の瞳を見た。 蒼いガラス玉のようなぱっちりとした瞳、幼い身体と人形のように整った顔、金色に輝く長い髪……この小さな身体にどれほどの不安が詰まっているのか図り知れない……しかしリリーは心配ないと言った。 それも祝福してくださいと言った。 そしてその瞳にはゆるぎない決意が込められていた。 決心がゆるぎない事を国王は確認し、不安を持ちながらもリリーを見送ることにした。 「元気に暮らすのだぞ……リリー」 少女は国王の目を真っ直ぐに見て言った。 「行ってきます、お父様」
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