汝が名は

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 眼前に広がる、銀色の煌めき。  異質な声を放つ女を認識したと同時に、視界は銀色に覆われた。  異質で、硬質で、周りでサラサラと音がする。  もはや身体の感覚は無い。  ただ銀色の視界と、耳元に響く音だけが全て。 ――運命(さだめ)無き者  再び聞こえてきた声。 ――わらわの手駒に相応しい ………………………… ちょっと待て。 いや、待ちやがれ。 何勝手な事ほざいてやがる! …………………………  怒りに身を任せて起き上がる。  眼を開ければ、奇妙な体験をする前と変わらぬ景色。  しかし、異なるモノは眼前に居た。  異なるモノ  魔界を統べる  七魔王の一柱  運命を司る  魔王デスティアが。
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