おいでませ、依頼人

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俺の名前はデュエル。 職業は符術師。 ……そこ、見下ろすな。 好きで小さいわけじゃねーんだからな。 本当は俺は、スッゴク良い男なんだぞ! 背だって高いし、呪力だって強いんだ。 ……過去形にしとくべきかもしれん。 あー、そうさ! 今の俺は、見た目十二歳くらいだし、呪力だって外見に見合ったモンだ! 悪いか?! あ?開き直るな? 開き直りたくもなるぜ…てゆか泣きてぇ。 ……依頼人に愚痴るのは駄目過ぎるな。 悪かった。 じゃあ、話聞こうか。 ――あ? 俺が今迄にこなしてきた仕事の話が聞きたい? それ、依頼にならねぇよ…悪いが帰ってくれ。 いや、金とかじゃなくてな、俺は一刻も早く妖魔を封じないと…… な、なんでそこで睨むんだ? しかも姿勢低くして上目遣いに睨むな! あんた、絶対分かって、やってるだろ! あー、分かった、分かった! ……実際、依頼来ないと動けないからな……まあ、つまりは閑古鳥。 そこ! 笑うなっ! 結構、焦ってるんだぞ! じゃあ、話してやるよ。 一応言っとくが…… ああ、ここで聞いた話を漏らすな、ての想像してたか? 半分だけ当たってるかな。 正解は 話しても誰も信じねーよ。 頭が暖かいと思われたくなきゃ、黙ってな。 ま、茶でも飲んでくれ。
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