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―――――――― 初めはただの好奇心だった。 16の頃、もうすっかり森の暮らしに慣れて、それなりに日々を送っていたウィルドは寝床にしている大きな屋敷を歩いていた。 はじめこそ手の付けようがないほど傷んでいた家は、今ではすっかり見違える程にキレイになっていた。 少しウキウキとした様子である部屋を目指すウィルド。 手にはアンティーク彫の鍵を持っている。 目的の部屋は頑丈な作りをしていて、ボロボロになっていた屋敷の中で唯一無事だった場所だ。 しかしその頑丈さゆえ、鍵がないと入れなかった。 ところが、先日棚の中を整理していると奥の方からこの鍵が出てきた。 今日は、この鍵で開くのではないかと思いそこへ向かっているのだ。
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