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鍵同様にアンティーク彫の扉を見つめるウィルド。
「約3年か…。時間が経つのは早いなぁ。」
そうしみじみと語ると、さっそく鍵を鍵穴にもっていった。
差し込んでみるとすんなり入る。くるりと右に回すとカチャリと軽い音が鳴った。
期待に胸をときめかせながら取っ手を回して扉を開く。
しかし、その中は余りにも呆気ないものだった。
「ベッドに、棚…だけ?」
埃がかぶり使い物にならなくなったベッド。
その横にある古ぼけた棚は心なしか傾いているように見える。
何があるのかを期待していた分、失念の思いが大きかった。
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