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「水か?…にしては、やけにとろみがあるな」 試験管のような形のそれを振ると、中の液体がゆっくりと揺れる。 「うーん…分からん。開けてみるか。」 そう言いつつコルクで出来た蓋を引っ張る。 すると、やはり相当古かったのかコルクがボロボロと崩れてしまった。 「おっと」 慌てて引き抜くも、いくつかの欠片が中に落ちてしまった。 「あーぁ。ま、問題は…」 ないな、と続けようとした途端、異変が起こった。 フワリと鼻を抜ける甘い芳香。 「…な、どこから?」 つい先程まで埃臭かった部屋が甘い匂いに包まれる。 「一体…。もしかして、これか?」 ウィルドの目線の先には、自分が持っている謎の液体。 スンッと匂いを嗅ぐようにすると、強烈な匂いにクラクラした。 「うぁっ!」
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