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痛い…。
頭が割れるようだ。
後頭部がジンジンする。
…………。
なぜ?
(─────…………。)
長い間を眠りの中で過ごしていたウィルドは、そっと瞼を持ち上げた。
まず始めに目に写り込んだのは鉄の柵。それと石畳みの床。
鉄格子の向こう側には1つの扉がある。
何故こんな所に?と思う間もなく、凍えるほどの寒さを感じた。
(…寒い)
両腕で体を抱き締める様にしようとした処で、体の不自由に気が付いた。
(手枷……?)
上を見ると、黒い革製のベルトで縛られている自分の腕が見えた。
ふと自分の体を見下ろす。
「…!」
見えたのは、上半身は裸で下は見たことがないズボンを履いている自分の体だった。
(いつの間に…!?)
身に覚えのない格好に慌てる。
しかし、そんな悠長に驚いている暇はなかった。
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