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2人にとっては今日が記念日。
映画も見終って裕太の家に行くことになった。
初めて入る裕太の部屋。
男の部屋とは思えないほど綺麗に整頓されていた。
「座りなよ。」
今家には二人っきり。
裕太はそっと私の肩に手をまわした。
どきどきが聞こえちゃうよ。
恥ずかしいよ。
初めての気持ちに動揺してた。
「夕日?緊張してる?もしかして初めて…?」
私は小さくうなずいた。
でも裕太が好きだから、やってもいいそう思ってた。
そしたら裕太こう言ったね。
「そっか。俺は夕日のこと好きだから、夕日としたいって思う。けど夕日の体を傷つけたりしたくない。だから夕日がいいって言うまでは手をださないよ。」
涙が出てきたよ。
裕太…なんでそんなに優しいの?
ごめんね。こんな彼女で。ごめん。
「泣くなっ!俺待つよ。」
本当に優しい人。
私でいいの?裕太…。
後悔しませんか?
それから二人はベッドで寄り添って寝た。
音楽聴いたり二人で話したり。
それだけで幸せだった。
裕太が寝た頃だった。
私は一冊のアルバムを見つけた。
そういえば私は裕太の過去を知らない。
どんな顔だったんだろ?
―パサッ―
一枚写真が落ちた。
日付けは1年前…
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