3人が本棚に入れています
本棚に追加
「どうしたの?また悲しいことがあったの?」
君はそう、僕に尋ねる。
「何でもないよ」
僕は涙を拭いながら、君に言った。
「うそ。だってあなた、いつも泣いてるじゃない」
「………」
「ほら、涙を拭いて。悲しいことより、楽しいこと考えよう?」
君は笑顔で僕に言う。
違うんだ。
「君が」
「え?」
「君が、笑うから」
どんなに辛いことがあったっても、君は泣かなかった。
ただ、苦しそうに笑っていた。
だから、悲しくなるんだ。
だから、涙が溢れるんだ。
君は、泣かないから。
君が笑うから
(僕は、泣くんだよ)
最初のコメントを投稿しよう!