923人が本棚に入れています
本棚に追加
『何故じゃ……!何故、死なせてくれんのじゃ!儂は……もう生きる理由はない!』
「違う!」
相模が叫んだ。
「それは違う!生きる意味なんてあるなしで決めるもんじゃない!生きてる中で見付けるものだよ!……俺、まだ小学生だしよく分からないけど……理由がないから死ぬなんて、それは違う!」
「そうだな。ガブリエルにどんな酷い事を言われたかは知らんが、生きていれば何かが変わるんじゃないか」
『天田くん、ひどいですのー!これじゃ、アタシが悪者ですのー!』
ぷうと頬を膨らませるガブリエルの頭を撫でてサラスヴァティが隠神刑部に近付く。
『そういうこと。時代が変わった位で死ななきゃならなかったら私達だって生きてないわよ』
『せやな。今の目的が無くなったら、また新たな目標見付けたらええ。ワシだって今の生き甲斐はラーメンやしな!』
『万物流転。物事は全て移り行くものでゴザルよ。隠神刑部殿も生き続ける限り変われるでゴザル』
『儂は……儂は……うう……』
隠神刑部はその場に崩れ落ちて嗚咽を漏らした。
その脇では神野がわんわんと声をあげて泣いていた。
最初のコメントを投稿しよう!