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次の日の朝。
もちろん、緊急全校集会が開かれた。
校長先生が壇上に上がり、マイクを手に取る。
「えー、先日の音楽室の窓ガラスに続き、今回は中庭の噴水と体育館の窓ガラスが壊されました。我が校の生徒に犯人がいるとは思ってませんが……このままだと……学校の……学校の予算がぁ!」
「こ、校長!校長っー!」
顔を真っ赤にして仰向けに倒れる校長に教頭が駆け寄る。
相模は苦笑いでその様子をうかがっていたが、背後からつつかれて、そっと後ろを向いた。
「ねぇ……相模くん……」
小声で神野が話しかけてきた。
その脇にいる天田の顔も青ざめている。
「どうし……」
途中まで言いかけて相模は止めた。
脇の先生達の「ある一点」から殺意の波動が発せられていることが分かった。
あまりの恐怖に横を向くことは決して出来なかった。
横を向けば、きっと魂を抜かれるに違いない。
相模にはその確信があった。
何はともあれ、「ボクらのオカルトノート」には新たな1ページとガチガチに緊張した狸の姿が追加されたのだった。
相模達がどうなったのか……それは聞かないでいただきたい。
頼むから。
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