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ピロローグ
『有貴ー!
あんた就職先決まった?』
『う~ん。今京都か函館の会社で迷ってんのよね…』
『えっ!Σ(´Д`;)京都?函館?
またなんでそんな遠いところに?』
『…………。
なんかのんびり暮らせそうだし~いいかなって思って♪』
『のんびりって…。少し将来のこともちゃんと考えなさいよ!!!!それより。。。祥クンと別れたって本当?』
『ああ……そのこと。。。。ね』
『そのことじゃないわよッ!?あんた祥クンに向かって《誠の男になって出直してこい!》とか意味のわからないことを別れ際に言ったってはるかにきいたけど?祥クンと別れるなんてもったいないわよ……企業の跡取り息子だったのに』
『いいのよ。………あんな奴。』
───誠の男。
なんていい響き。
京都か函館で就職できたなら~ 、 壬生寺や八木邸にも通い放題だしっ、函館だったら五稜郭に通い放題♪
よ~しっ。
就活がんばろう。
そう。
彼女には人には言えない秘密があった。
とてつもない歴史オタクだという秘密が。
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