六月の長い夜
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「なぁ~拓人(タクト)~。聞いてくれよぉ~っ」 例のごとく章(しょう)の奴が、また俺の部屋にころがり込んできた。 「久志のヤツ、ちくしょう!」 章は畳を叩いて、その場に突っ伏した。 『久志』とは、章の両想いの相手なのだが、この久志に章は、いまだ手がだせずに悩んでいた。 俺はため息をついた。
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