六月の長い夜

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それにしても、その朝当番より40分も早く学校にきている詠詩の勤勉さには、毎度頭が下がる。俺には到底真似などできそうにない。でも、今日はそうも言ってなれないので俺はいつもより1時間早く起きて、パンをかじりながら家を飛び出した。(俺が通ってる学校は、歩いて40分の距離にあるのだが、俺は毎日徒歩通学をしていた。) 学校に着いてから宿題を書き写す時間を考えると、そうのんびりしているわけにはいかなかった。それに、クラスの連中に宿題を写しているところを見られるなんて、硬派で通している俺の沽券にかかわるというものだ。 それと、もうひとつ理由があった。
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