第二章

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   生物の腹内のような、どろどろとしたほの暗い空間の中で、男は静かに終わりを求めていた。  その無限のような時間が終わるのを。  その結末が死であったとしても構わない。  ただ終わりがくるのでさえあれば、形は望まない。  そう思っていた。  それが苦痛であることすら忘れてしまうような、そんな絶望的な時間の中で、  色を無くした世界の底で、  ふいに、希望のようなものを見つける。  それに縋り付くように手を伸ばし、そして手に入れたのは『色』だった。  彼の世界に唯一現れた極彩色を、希望だと信じて疑わず、  彼はようやく『終わり』を手に入れたのだった。  
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