第一章 春 1

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第一章 春 1

カランカラン さして広くもない店のドアが開いた。 顔を上げて振り向くと、初めてのお客様がそこにいた。 「いらっしゃいませ!」 そこにいたのは黒い帽子、黒いコートの男だった。 こちらの笑顔に戸惑ったのか、足を止めてしまう。 「今回はどのようなお花をお探しですか?」 「もう少ししたらになると思うんだが、ブーケを一つ頼みたい。」 「ご結婚なさるんですね?おめでとうございます。どのようなブーケがよろしいのでしょう?」 彼はゆっくりと口を開いた。
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