出会いの雨

10/12
前へ
/537ページ
次へ
目が合い、たじろぐ クスリと目で笑われた気がした 顔が少しだけ熱い 恥ずかしくて、俺から目線をはずした あちらはあちらで俺のことなんて全然、気にしていないようだった チラッとまた横目で盗み見る 大き目の白いバッグからハンカチを取り出して、髪やら頬を優しく押さえていた 彼女の少し長めの前髪から、一滴の雨がその人の鼻の頭に零れた 「冷たっ」 雨の音に掻き消されてしまうほどの小さな声    ~♪~~♪~~♪~ 流行の着うたが流れる はっ!俺のだ!!
/537ページ

最初のコメントを投稿しよう!

89人が本棚に入れています
本棚に追加